オーストラリアドル円の円高シナリオとは

オーストラリアドル円は利上げ期待と中国リスクが重要

オーストラリアドル円の最大の特徴は、工業原料(石炭や鉄鉱石など)から農産物資源(小麦や酪農製品など)まで、幅広い天然資源の輸出に強みを持つ経済が背後にあることだ。さらに、輸出相手先として、中国を筆頭としたアジア諸国が全体の約4割を占めており、同地域の高成長を享受しやすい点も見逃せない。豪州当局者も、現在の状況を「過去百年間で最も良好」と評価しているほどで、資源輸出大国としての存在感を一段と強めていくことが期待される。

 

FXのオーストラリアドル円相場は、豪州中央銀行(RBA)の政策金利を先取りする同国2年債利回りとの連動性が非常に強い。RBAは、現在4.75%の金利をさらに引き上げる構えを見せており、将来的な金利上昇が市場に織り込まれてくる過程では豪ドル相場の追い風となろう。向こう3ヵ月間の豪ドル/円相場レンジは83〜89円を予想する。

 

豪ドルの性質として、世界景気そのものに敏感に反応しやすい点はもろ刃の剣である。とりわけ近年は中国の景気動向、およびその思惑に影響を受けやすくなっている。景気過熱気味とされる中国経済に変調の兆しが見えた場合、豪ドルは比較的大きな調整圧力を受けるリスクがあろう。中国物価統計の上振れ、人民銀行の急激な利上げ、景気急減速というシナリオに連想が及ぶイベントには注意を要する。また、ユーロ圏問題なども含め、グローバルなリスク環境が不安定な状況が続いているが、その問は豪州のファンダメンタルズが豪ドルに反映されにくくなるため、予測が難しくなる。